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【 はじめに 】 今回は趣味の工作機械の最高峰に位置するCNCにATC(Automatic Tools Changer)を取り付けて【マシニングセンタ(Machining Centers)】にしてしまおうって言う以前からの目標を具現化する事にしましたので【特集】を組みました。 当然の如く[汎用機]のマシニングセンタに比較すると、とってもチープで貧相なものですが趣味で作る工作機械としては[国内初]に等しい本格的なATCを持った【マシニングセンタ】を作る事にしましたのでご参考にして下さい。 ただ[国内初]に・・・等しい・・・と申し上げましたが(初と言い切らなかった)理由は、実働する[ツールチェンジャ]につきましては当方より逸早く[フォルムのmmさん]が門型CNCで実用化されておりますのでチョット微妙なわけです・・・(^_^;) mmさんのATCも完成度が非常に高く素晴らしい装置ですので、そちらも是非ご参考にされて下さい。 今後、趣味の世界で、このような機構を自作される皆様の一助になれば幸いです。 ヽ(^。^)ノ |
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【まずはマシニングセンタについてのウンチク】 | |
【マシニングセンタとは】 マシニングセンタ(Machining Centers)は、 1958(昭和33)年にアメリカのカーネイ & トレッカー社が開発した"ミルウォキーマチック"という名称の工作機械を第1号とすることが、一般的です。 その定義は、いろいろ言われていますが、1977(昭和52)年に全米工作機械工業会で採用されたのは「マシニングセンタは、自動工具交換能力(ATC)があり、工具を回転させて加工する多機能切削加工NC工作機械」と決めています。 一方、日本工作機械工業会によれば「工作物の取り付けを変えずに、フライス、穴あけ、中ぐり、ねじ立てなど、いろいろの作業ができるNC工作機械であり、多数の種類の異なる工具を自動的に作業位置にもってくる装置を備えたもの。 また少なくとも2面以上を加工できる構造で、工具の迅速な交換機能(ATC)を備えた工作機械」となります。 種類としては、横軸形(略して横形)、立軸形(略して立形)のほかに門形、工作物回転形、その他に分かれていますが、最近ではこれらの2つ以上の種類をかねそなえたマシニングセンタも生産されており、なかなか機能別での分類は、困難になってきています。 マシニングセンタの構成要素はコラム,ベッド,テーブル,割出し機構,主軸頭,自動工具交換,および制御装置がおもなものです。 【マシニングセンタの種類】 マシニングセンタは上述のように主軸の方向によって立型(主軸が垂直方向)と横型(主軸が水平方向)に大別されます。 また、コラム構造によって門型、片持型にも分類できます。 * 立型ATC付きCNCは一面加工となり上記定義と異なりますが、自動工具交換装置(ATC)が装備されているためにマシニングセンタと一般的には呼ばれています。 |
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【自動工具交換装置】 自動工具交換装置をATC(Automatic Tools Changer)と呼びます。 マシニングセンタにはこのATC装置が付いており、そこにホルダーに取り付けられた状態で様々な工具が格納されています。 ホルダに格納された工具は、NCの指令に従って自動的に主軸に脱着され使用されます。 この工具ホルダの数は加工機によって様々ですが、現在100個のホルダが格納されるマシニングセンタもあります。 自動工具交換装置は工具の格納,マガジン(Magazine)の回転と位置決め,主軸とマガジン間の工具交換がその役目です。 自動工具交換装置は取付け位置と工具収納マガジンの形状に種々の工夫がなされています。 この機構は本体の構造,工具の格納本数,スペースなどによりますが,円筒形,円錐形,楕円形,矩形などがあります。 格納工具の選択(呼び出し)の方式は下記の2つに分けられます。 【ATC工具選択の種類】 @シーケンシャル方式 加工の工程順序にしたがって工具を事前に、加工順番の通りに順番に配置しておき,その順番とおりに呼び出すもの。 Aランダム方式 工具の格納順序には関係なく,任意の工具が呼び出せるもので,事前に配置した場所とは別の最も近い位置の空位置に工具を格納しますので常に工具位置は変わります、これをコンピューターにより位置情報を常に更新管理する為に高度なプログラム制御が必要になりますが、近年の装置ではその大部分が,このランダム方式になっています。 |
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【 設 計 方 針 】 | |
さぁ〜てと・・・ウンチク等の堅い話はさておき・それでは、いよいよどのようなマシニングセンタを作りましょうか・・・ ここが・思案です (ーー;) 下記@〜Hまでを基本的なコンセプトといたしましょう。 @ 既設のCNCを大幅な改造無しにベースマシーンとして作る。(必須) A 本格的なアームによるツールチェンジを行う。(必須) B エァー機器等の特殊な部材は使わず全て電動にする。(必須) C 最低4本以上のツールが使用可能な事。 D ランダムとまで行かなくとも完全なシーケンシャルではなく必要なツールを都度セレクトできる機構。 F 極力アルミ材で加工可能な機構。 G 市販ツールホルダーに寸法が準拠している。 H 誰でも作れる構造である事。 (必須) 一応ウンチクにもありました様に、これで立型の既存CNCがベースですので2面加工はできませんが自動工具交換装置(ATC)が装備されているためにマシニングセンタと名乗る事ができるでしょう。 |
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一般的な[マシニングセンタ]の[ATC]は下図のようにアームが[主軸側]と[マガジン側]が一対になっており、俊敏な工具交換の為に同時に着脱を行うようです。 | |
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動作を順をおって説明すると下記のようなプロセスになるようです。 | |
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ただし上図のような[ATC]ですとCNC本体分部も専用の設計となり既存の機械に誰でもが付加できる[ATC]では無くなってきますのでで、若干複雑になりますが、一捻りした構造の[ATC]を設計する事にしましょう。 | |
ちなみに・・・・・こんなのは・・私の技術では・・出来ませんカラ〜 (^_^;) | |
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【 最初に設計 & 図面作成 】 | |
既存の機械に対応できるように下図のように[中間アーム型]のATCにしましょう。 図のように主軸に[ツールホルダー]を掴みに行ってコラム後部に配置した[ツールマガジン]に戻しに行く機構にしましょうか。 これだと皆さんが使っている既存フライス(CNC)にでも[ATC]を取り付ける事が可能で簡単に[マシニングセンタ]を作る事が出来そうです。 と・言う事で全体の構想は決まりましたので詳細設計を進めましょう。 |
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ところで・・・いつも、何を作るにも申し上げている事ですが・・・まず最初に図面を書きましょう ! 特に今回のように沢山の要素が絡み合う装置の場合、当然最終的な組立て調整においては現合(げんごう=現物合わせ)等による作業が必要になってきますが基本的な部位については、ちゃんと採寸して図面を起こす事が完成への早道であり又、完成度の高い作品への一歩です。 多少のCAD力が必要ですが、とても重要な事です。 余談ですが[飛騨高山の職人さん]ですら最初は図面(絵?)を起こす事から始まるそうです。 尚、図面が無い事には今回の特集等・・・皆さんに伝承は出来ないですねっ。 まぁ〜早い話は『図面さえ有れば誰でも作れる』って事です。 |
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各ステージで、それぞれ私の下手な図面をご紹介してゆきますので、ご参照下さいネ ヽ(^。^)ノ | |
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【 製作開始 GO ! 】 | |
今回の【特集】につきましては予想以上の長編になりました。 つきましては下記のように各ステージに分けましたのでご覧になられたいステージの左側タグをクリックしてご覧下さい。 |
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St1.【ATC用主軸を作ろう】 なんと言ってもツールホルダーを簡単に抜き挿しできる主軸でない事には話しになりませんので取り合えず専用の主軸を作っちゃいましょう。 |
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St2.【ATCアームを作ろう】 ツールを掴んで交換する為には必須ですね。 いわゆる・・・これがATCの心臓部かなっ (^_^;) これも作っちゃいましょう。 |
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St3.【ツールマガジンを作ろう】 必要本数のツールを格納しておく為のマガジンです。 今回は欲張らずに4本用を作りましょう。 |
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St4.【制御を考えよう】 装置(ハード)は一生懸命にコツコツと努力さえすれば誰でも作れちゃうんですが・・・・実際にどのような動作をさせるかが問題ですね・・・・取り合えずやってみましょう (^_^;) |
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St5.【Interface】 パソコンからの信号出力をCNC側に取り込みましょう。 ても・・・どうやって・・? * この部分は[けんざえもんサン]にご協力いただきました |
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St6.【Machの設定をしよう】 そのままではPC(Mach2/3)はツール交換を認識してくれませんのでMach側も、それなりに調整しましょう。 * 今回[indianaさん]に終始ご教授戴きました |
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ちょっとした【おまけ】の便利グッツを作りましょう。 |
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【 完 成 】 完成したら実際に動作(運転)をさせてみましょう。 当初の予定通りに動いたら拍手喝采ですね。 切削の動画もありますので是非参考にして下さい。 ヽ(^。^)ノ |
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【PhotoGallery】 製作過程で説明不足だった部分をはじめ全体の仕上がりを画像で堪能して下さい。 |
【 掲示板・過去ログのご紹介 】 | |
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今回の製作にあたり諸氏諸先輩から沢山の情報やアドバイスを戴きました[掲示板]です。 完結しましたのでリードオンリーになっていますが【特集】では表現しきれない製作過程における数多くの情報が満載ですのでぜひ参考にして下さい。 |
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【 最 後 に 】 如何でしたでしょうか、みなさん ? 基本的なコンセプトは極力特殊な部材を使わずにコツコツと努力さえすれば誰でも作れる【マシニングセンタ】をイメージして今回の特集を出筆したわけですが・・・ それゆえにツール交換にかかる時間が60秒前後と汎用機械に比べると若干遅く感じる部分もありますが趣味の自作機械としては及第点かなって自画自賛しています (^_^;) 今回の装置が究極の完成版と言う訳ではありませんので皆さん是非、自分流にアレンジして見て下さい。 いずれにせよ今回の特集が初心者の方や入門者の方のCNC構築の一助となれば幸いです。 また当方の稚拙なホームページと特集を最後まで、ご笑覧戴き御礼申し上げるのと、今回の特集に際し多大なるご指導ご鞭撻を戴きました下記の諸氏諸先輩に合わせて御礼申し上げます。 |
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< < < < 御 礼 > > > > | |
今回の【特集】の出筆及び実機製作にあたり掲示板を通して情報のご提供及び、ご教授を戴きました各分野に精通された諸氏諸先輩をご紹介いたします。 |
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[ 工業マニアさん ] ・ [ 溶接工Aさん ] ・ [ たかっちサン ] [通りすがり調律師さん] ・ [ 発途工さん ] ・ [ hide-iさん ] [ ジェームスさん ] ・ [ secさん ] ・ [けんざえもんサン] [ indianaさん ] ( 掲示板への書き込み順 ) 今回参考にさせていただきました掲示板をご紹介します ![]() ![]() みなさん本当にお世話になりありがとうございました m(__)m ・・・・ これが最後の別れって・言う・・話(訳)ではありません・・・ (^_^;) 次回を是非乞うご期待 ! |
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